AA歯科恵比寿の院長Dr小川ブログ

10月16日

歯にヒビ?!歯が割れてしまった時。その後の処置と割れないための予防法

歯が割れてしまった!歯が欠けたり根っこが割れてしまうことは、歯科臨床では割と日常的に起こりえることなのですが、「根が割れて抜かないといけないらしいんだけど、歯を残せる方法はないの?」「転んで歯が欠けてしまったところをきれいに治してほしい」などのご相談内容も多いことから、今回は歯が割れた時の治療法、そしてその予防法について書いてみました。

神経がない歯は神経のある歯に比べると非常に脆いため割れるリスクが高いですが、神経のある健康な歯でも過度な力がかかり続けると歯の表面のエナメル質から歯の根までが真っ二つに割れてしまうこともあります。おおよそのケースでははじめは何かきっかけがあって歯の表面や内部にクラック(いわゆるヒビや亀裂のこと)が入り、その後パカっと割れてしまうという過程ですが、割れていても初期の状態では視診、触診で分からずレントゲンにも映らないこともあり、確実に判別できる何かが起きていなければ経過を見ていくしかありません。

この「歯が割れる」原因には、歯自体の強度(歯周病や虫歯を放置していたなど)や治療後の状態、歯根の状況にもよりますが、多くは噛み合わせの力つまり咬合力、噛む筋力が強い場合、またはそれが過度にかかっていたことによるものです。

歯が割れたしまった場合の治療法としては

○接着法による歯の保存   歯や根が割れた部分を接着して固定する方法。割れた部分が粉砕していなければ接着法で保存を試みることができます。固定して周りの歯周組織の安定を図ることで痛みや出血などの症状も落ち着きます。噛み合わせ調整で噛む力がかからないようにしておきます。

○樹脂やセメントを使って人工的に修復、補強する   割れてしまった歯の破片が一部なくなっている場合(軽度)にセメントやレジンなどの材料で補強します。前歯でしたら、審美性の良い材質で直します。かなり大きく欠けてしまっている場合にはセラミックやジルコニアなどの強度と審美性のある材質で修復します。

○接着法を行いつつ神経を取り歯は抜かずに保存。  神経のある歯で割れてしまっているが歯の根は保存できそうな状況であれば感染した歯髄を取って(神経を取る処置)歯は抜かずに保存療法を行います。 

○抜歯  歯の根が縦に根の先まで完全にパッカリと割れてしまっている場合は多くの場合抜歯になるかと思います。その歯全部を抜く場合や、割れた根だけを部分的に抜いて歯は残す方法などもあります。また、歯の根の周りの骨が極度に溶けてなくなっている場合には同じく抜歯の可能性が高いです。

ちなみに、歯の根まで割れてしまった場合は、どんな方法で行っても完全に元通りの歯にはならないので、保存処置=延命処置という意味合いで受け止めて頂くようになります。これは、個人差が大きく1年以内で抜歯になるケースもありますし、かなり長く、数年以上もなんの問題なく経過している方もいらっしゃいます。どれだけの期間、延命ができるかの保証はできませんが現状でやるべき精一杯の処置を行い極力長期的に安定するように努めるしかなく、経過を見てそれでもダメになった場合には抜歯をして噛む機能を回復させる治療に進むしかありません。

とは言え、できれば歯を抜かずに過ごせたらと思いますよね。どうしたら歯が割れないようにできるのか?歯を守れるのか?予防策はありますので、以下を参考にしてまずはできること、必要な処置を行いましょう。

とくに噛む力や顎の筋力が強い方、噛み癖、食いしばり癖のある方、硬い食べ物が好きな方は歯が割れる可能性が高いので、そうならない前に予防策を取ることがとても重要です。

根が完全に二つに割れてしまっています。金属の歯の土台は硬いので歯質の薄い根や咬合力が過剰にかかる噛み合わせの方は脆い歯の根が割れてしまうことがあります。衝撃を吸収し歯の根に負担のかかりにくいグラスファイバーの土台をおすすめします。

奥から2番目の歯は、奥側の根が割れています。暗い影の部分は炎症のあることを示しています。
痛みなどの症状がなく、噛んで支障が起きていないなら延命に努めます。もし、ダメになった時にインプラントを検討されているなら、炎症が大きくならないうちに(骨がなくならないうちに)抜歯した方がいい場合もあります。
転んで歯が折れてしまった!右側の方は欠けた部分が少なかったのでレジンで1日で直せました。審美性の高いレジンなら修復跡がわからず直せます。左側の大きく欠けた方は神経を取ってセラミッククラウンで治し、抜かずに無事元どおりの歯に!

歯が割れないようにするための予防法、処置法

★ 神経を取った後の歯は土台で補強をする   神経を取った後は、通常歯を補強するために土台を入れます。根が割れにくいグラスファイバーという材質の土台がとてもおすすめです。

★クラウンやアンレーなど被せて補強する 同じく神経を取った歯には、歯の部位や歯質の残存量によっても判断は変わりますが土台を入れた後にクラウンやアンレーなどの被せ物で歯を補強して歯が折れたり割れたりしないようにします。 

★噛み合わせの調整  これは神経のあるなしに関わらずどんな治療の後にも必要不可欠なことですが、奥歯や前歯など天然歯との調和を図るため、そしてその歯にかかる咬合圧の調整をすることがとても重要です。

★ マウスピースを作る  歯ぎしりや食いしばりの癖がある方やセラミックの歯が入っている方には必須!一度でも歯が欠けてしまったことがあったり、歯の根が割れた経験のある方は使って頂きたいと思います。

★ボトックス注入療法   咬筋そのものの力を弱める方法です。割れるリスクの高い方、例えば、咬筋が張っている、顎の筋力が強い、トレーニングをしている方、食いしばり歯ぎしりをしている方で、マウスピースだけではリスクを避けるのには足らないような場合に行っています。

★ 食べている時以外、できるだけ歯同士を噛み合わせない  踏ん張る時や夢中で何かをしている時、集中している時、歯を噛み締めたり歯を触れた状態にありませんか?歯同士が触れている時間は1日に17分〜20分程度と臨床では言われていますが、噛み締め癖や歯列接触癖がある方は必要以上に歯をくっつけていて、これが何かと歯のトラブルを招く原因になっているのです。そのような癖のある方は、できる限り意識して歯を触れ合わせない、舌で上顎を押して歯と歯の間に空間を作るようにしてください。意識すれば次第に治ってきます。

治療もご自身で気をつけられることも、可能な限りやれるだけのことをやってみる。当院ではそのような考え方で患者さんとよくお話ししながら治療を行っています。 その状況により様々な治療法がありますので、お悩みの方はご相談ください。

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